ヨーロッパを原産地とされるアブラナ科のお野菜で、大きく肉厚な葉が重なり合い球形となるのが特徴です。日本には江戸時代の頃に入り、明治時代から広く食べられるようになってきたされています。
比較的安価な上に、煮ても焼いても炒めても、さらに生でもおいしい!和洋中さまざまな料理で活躍するキャベツは、冷蔵庫にストックされている家庭も多いのでは?
今回はそんな家庭の味方であるキャベツについてご紹介させていただきます。
甘くておいしいシュークリーム。
フランス語で「シュー・ア・ラ・クレーム」と言い、直訳すると、
「クリームが詰まったキャベツ」
となるそうです。形がにているからでしょうか。
薬膳の分野では「食べる薬」なんて言われているキャベツ。どんな栄養素が含まれているのでしょうか。
ビタミンU(キャベジン)
キャベツの絞り汁から発見されたことから“キャベジン”とも呼ばれています。胃や腸の粘膜を丈夫にしたり、荒れてしまった胃壁の修復を助ける働きがあり、さらに、胃酸の分泌を調整してくれる作用が期待できます。熱に弱い成分なので、生で食べるか、さっと湯通し程度の調理でいただくのが◎!
ビタミンC
抗酸化作用があり、体にとって害となる活性酸素を除去し、細胞を保護してくれます。風邪予防・疲労回復、肌荒れ改善などに効果が期待できるといわれています。
カルシウム
丈夫な骨と歯をつくるためにかかせない栄養素。他にも筋肉収縮、血液凝固、精神安定など、生命の維持に大切な働きをしてくれるミネラルとされています。
カリウム
体内の塩分を排泄する働きがあるため、高血圧に効果があるとされています。
ビタミンK
血液の正常な凝固作用を助ける栄養素です。さらに骨を丈夫に保つために必要不可欠な栄養素です。キャベツにはビタミンKがとても豊富で、葉1枚程度で1日に必要なビタミンKの約2倍以上を摂取することができるとされています。
葉酸
葉酸はDNA合成に関わるビタミンB群の一種であり、胎児の正常な発育に役立つため、妊娠中にとりたい大切なビタミンとしても知られています。
食物繊維
キャベツには水溶性よりも不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は便のかさを増して腸を刺激してくれるので、便秘改善にも期待できますよ!
その他にも、大根に含まれることで有名なジアスターゼも、実はキャベツの方が多いそうです。ジアスターゼはでんぷん分解酵素で、消化を助け、胃酸過多、胃もたれや、胸やけなどに効果が期待できます。だから、とんかつの横にはキャベツの千切りが添えられているんですね!
栄養豊富なキャベツ
1位:群馬県
2位:愛知県
3位:千葉県
※平成23年農林水産省統計データより
様々な地域で栽培されており、季節によって順位が変動するそうです。栽培にも人気のキャベツ!1年を通して楽しめます。
キャベツには様々な種類があります。大きく分けると4~6月、7~10月、11~3月の3回の収穫期があり、収穫される季節によっても呼び名が変わってきます。
春キャベツ(春玉キャベツ)
主に春(4~6月)に出回るキャベツ。巻きがゆるやかで、球の中心に近い葉も緑色を帯びています。葉が柔らかいので、サラダや即席漬けなどの生食向き。
冬キャベツ(寒玉キャベツ)
主に冬(11~3月)に出回るキャベツ。葉が堅くて煮くずれしにくいので、煮物に向いています。
夏秋キャベツ
寒玉と春玉の中間的な特徴を持つ、7~10月に出回るキャベツ。長野県、群馬県などの高冷涼地でつくられるものは、高原キャベツとも呼ばれます。
グリーンボール(丸玉)
葉がしっかり巻かれており、きれいな緑色で球形のキャベツ。厚く甘みがあり、柔らかいのが特徴です。
サボイキャベツ
フランスのサボイ地方で作られた、葉の表面が縮れているのが特徴のキャベツ。
紫キャベツ
紫~赤紫色の葉をした結球タイプのキャベツです。葉の紫はアントシアニンで、ポリフェノールの一種!
芽キャベツ
直径が3~4cm(平均20g)ほどのひと口サイズのキャベツ
キャベツのあれこれ、いかがだったでしょうか。和・洋・中とさまざまな料理で楽しめるキャベツは冷蔵庫に欠かせない野菜ですね。
淡色野菜で栄養価に期待できないと思っていましたが、「食べる薬」といわれる程栄養豊富なキャベツ!ぜひいろいろな食べ方で、美味しく召し上がってくださいね!
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参考サイト
農林水産省 / 旬の食材百科FoodsLink / 野菜情報サイト野菜ナビ